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スマートコントラクトとWeb3を標的にした「暗号資産・デジタル資産流出」

公開:2026-08-29 最終確認:2026-08-30

背景と概要

ブロックチェーン技術を活用したWeb3エコシステムや分散型金融(DeFi)、RWA(現実資産のトークン化)の普及に伴い、スマートコントラクトのプログラム上の脆弱性を狙ったハッキング被害が世界中で拡大しています。

一度ブロックチェーンにデプロイ(配置)されたプログラムは修正が困難であるため、一度の脆弱性で数億〜数十億円規模の資産が一瞬で流出するリスクを抱えています。

ブロックチェーン環境における攻撃手口

暗号資産やトークンを不正に取得するための手法は極めて高度化しています。

1. フラッシュローン攻撃(Flash Loan Attack)

 無担保で一時的に大量の資金を借り入れ、同一トランザクション内で特定のDeFiプロトコルの価格オラクルを操作して不当な利益を得る手口です。

2. 再突入攻撃(Reentrancy Attack)

 契約プログラムが残高状態を更新する前に、悪意あるコードから繰り返し引き出し処理を呼び出すことで、資金を二重に引き出させます。

3. 認可(Approve)詐欺

 偽のWebサイトやエアドロップ(無料配布)を通じて、自身のウォレット内のトークンを無制限に操作できる権限を攻撃者のアドレスに付与させてしまう手口です。

Web3プロジェクト・利用企業に必要な対策

プログラム実行前の徹底した事前監査が不可欠です。

1. 専門機関による第三者スマートコントラクト監査

 コードを本番環境へ公開する前に、複数のセキュリティ監査企業によるコードレビューとバグバウンティ(バグ報奨金)を実施します。

2. タイムロック機能と緊急停止(Circuit Breaker)の組み込み

 異常な大口資金移動が検知された場合、一定時間取引をロックする仕組みや、緊急時に機能を停止できるマルチシグ(多重署名)管理を導入します。

実務で深掘りしたい確認点

スマートコントラクト、管理鍵、承認済みトークン、ブリッジとオラクルをひとまとまりの管理対象として捉えます。再入可能性、権限集中、価格操作、無制限承認、アップグレード機能を監査します。 単発の警告だけで判断せず、利用者・端末・時刻・変更履歴を関連付けると、通常業務との違いを説明しやすくなります。

発見時の初動と影響確認

問題コントラクトを停止できる設計なら利用し、署名鍵とフロントエンドの侵害範囲を確認します。 復旧を急ぐ場合も、後から原因と影響範囲を説明できるよう、時刻、担当者、実施した操作、保全した証拠を残します。外部への通知や専門家への相談が必要かも、扱うデータと業務影響から判断します。

継続運用へ落とし込む方法

監査結果だけを保証とせず、上限、時間制御、マルチシグ、バグ報奨金を組み合わせます。 導入時だけで終わらせず、例外件数、検知から対応までの時間、再発、利用者からの相談を定期的に確認します。訓練や実際の対応で見つかった手順の曖昧さを更新し、責任者不在時にも動ける状態を維持します。