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重要性が再認識される「IT-BCP(事業継続計画)」とランサムウェア復旧

公開:2026-08-29 最終確認:2026-08-30

背景と概要

ランサムウェア攻撃によって基幹システムや生産ラインが数日〜数週間にわたり停止するインシデントが国内外で発生しています。システムの不具合修復だけでなく、システムが長期間使えない状況下でどのように事業を継続するかという「IT-BCP(IT事業継続計画)」の実効性が再評価されています。

従来のBCP設計で見落とされがちなポイント

自然災害(地震・水害等)を前提とした従来のBCPと、サイバー攻撃を前提としたBCPでは対応スキームが異なります。

「バックアップからの復旧」にかかる時間の誤認テラバイト〜ペタバイト級のデータをネットワーク経由で書き戻す作業には想定以上の時間がかかるほか、バックアップ自体が汚染されていないか検証するプロセスが必要になります。

代替手段(手作業・アナログ運用)の訓練不足システムが完全にダウンした際、紙と手作業で業務(受注、出荷、決済等)を一時的に継続するマニュアルや現場トレーニングが形骸化しているケースが見られます。

実効性のあるIT-BCP構築に向けた検討事項

システム復旧策と業務代替策をセットで整理することが推奨されます。

オフライン・代替プロセスの事前策定と訓練システム停止期間中の最低限の業務手順を明記したマニュアルを作成し、定期的な机上訓練(テーブルトップ演習)を実施して妥当性を検証します。

経営陣を交えた「身代金・情報公開」の方針策定万が一データが暗号化・流出した際の対外発表手順や法的助言体制、脅迫への対応方針について、有事ではなく平常時に経営判断のルールを整理しておくことが望まれます。

実務で深掘りしたい確認点

認証、ネットワーク、業務システム、バックアップを含むランサム被害時の継続計画をひとまとまりの管理対象として捉えます。システム単体の復旧時間だけでなく、依存順序、代替業務、連絡手段を確認します。 単発の警告だけで判断せず、利用者・端末・時刻・変更履歴を関連付けると、通常業務との違いを説明しやすくなります。

発見時の初動と影響確認

侵害環境から分離した復旧基盤で優先サービスを戻し、完全性と再感染の有無を検証します。 復旧を急ぐ場合も、後から原因と影響範囲を説明できるよう、時刻、担当者、実施した操作、保全した証拠を残します。外部への通知や専門家への相談が必要かも、扱うデータと業務影響から判断します。

継続運用へ落とし込む方法

机上演習と実機復旧を分けて行い、RTO・RPO、判断時間、連絡漏れを改善します。 導入時だけで終わらせず、例外件数、検知から対応までの時間、再発、利用者からの相談を定期的に確認します。訓練や実際の対応で見つかった手順の曖昧さを更新し、責任者不在時にも動ける状態を維持します。